崖の上の岩窟教会~エチオピア

エチオピア正教会はエチオピアで独自に発展したキリスト教であり、コプト教から分離した原始的なキリスト教とも称される。イスラム教国に囲まれたエチオピアのキリスト教信者たちは、異教徒からの襲撃を防ぐために教会を隠すように建造してきた。世界遺産にも指定されている十字架の教会が最も有名な例であるが、エチオピアにはその他にも驚くべき場所に教会が存在する。
【アブナ・イェマタ教会】数百メートルの垂直な岩山を刳り貫いて作られたアブナイェマタへの道のりは、過酷だ。1時間近い登山の後には、100メートル以上の絶壁絶壁に面した細い通路が待っている。この通路を渡らなければ教会へ辿り着くことができないが、足を滑らせれば間違いなく命を落とす。やっとの思いでたどり着いた教会の内部一面には壁画が描かれ、息を飲むほど美しい。
【デブレ・ダモ修道院】デブレ・ダモは、岩を彫り抜くかわりにテーブル状の山の頂に作られた。女人禁制の厳格な修道院であり、牛や山羊などの家畜の雌でさえも入ることができない。
僧侶たちはこの地で死に、この地で葬られることを夢見ながら、今でも毎日祈りを続ける。この修道院へ行くには20メートルほどの絶壁をロープで登らなくてはいけない。毎年行われる祭りでは『蜘蛛の糸』の如くこのロープに信者たちが殺到し、転落死する者すらいる。




